Linuxパッケージ管理の基本：apt / yum / dnf / pacman コマンド入門
Linuxシステムを運用する上で、ソフトウェアのインストール、アップデート、削除は日常的に行われる作業です。これらの作業を効率的に行うのがパッケージマネージャです。各Linuxディストリビューションにはそれぞれ異なるパッケージマネージャがあり、その基本的な使い方を理解することは、安定したシステム管理に不可欠です。
この記事では、主要なLinuxディストリビューションで使われているパッケージマネージャ、apt（Debian/Ubuntu系）、yum/dnf（Red Hat/CentOS/Fedora系）、pacman（Arch Linux系）の基本的な使い方について解説します。
この記事では、主要なLinuxディストリビューションで使われているパッケージマネージャ、apt（Debian/Ubuntu系）、yum/dnf（Red Hat/CentOS/Fedora系）、pacman（Arch Linux系）の基本的な使い方について解説します。
この記事でわかること
- 主要なパッケージマネージャの役割と種類
- 各パッケージマネージャでのソフトウェアのインストール、検索、アップデート、削除方法
- 「この状況で困ったらコレ」という具体的なコマンド利用シーン
パッケージマネージャとは？
パッケージマネージャは、ソフトウェア（パッケージ）の導入、更新、削除をシステム全体で一元的に管理するためのツールです。依存関係の解決や、セキュリティパッチの適用などを自動で行ってくれるため、手動での管理に比べてはるかに効率的かつ安全です。
パッケージマネージャの基本的な使い方
以下に、主要なパッケージマネージャごとのよく使うコマンドを表でまとめました。
| 目的 | apt (Debian/Ubuntu) | yum (CentOS 7まで) | dnf (CentOS 8以降/Fedora) | pacman (Arch Linux) |
|---|---|---|---|---|
| パッケージ検索 | apt search <パッケージ名> |
yum search <パッケージ名> |
dnf search <パッケージ名> |
pacman -Ss <パッケージ名> |
| パッケージ情報 | apt show <パッケージ名> |
yum info <パッケージ名> |
dnf info <パッケージ名> |
pacman -Si <パッケージ名> |
| インストール | sudo apt install <パッケージ名> |
sudo yum install <パッケージ名> |
sudo dnf install <パッケージ名> |
sudo pacman -S <パッケージ名> |
| アンインストール | sudo apt remove <パッケージ名>sudo apt purge <パッケージ名> (設定ファイルも削除) |
sudo yum remove <パッケージ名> |
sudo dnf remove <パッケージ名> |
sudo pacman -R <パッケージ名>sudo pacman -Rs <パッケージ名> (依存関係も削除) |
| システム更新 | sudo apt updatesudo apt upgrade |
sudo yum update |
sudo dnf update |
sudo pacman -Syu |
| 不要な依存関係削除 | sudo apt autoremove |
(yum/dnfは通常自動で処理) | (yum/dnfは通常自動で処理) | sudo pacman -Rns <パッケージ名> |
この状況で困ったらコレ！
新しいソフトウェアをインストールしたいが、パッケージ名がわからない場合
まず検索コマンドを使ってみましょう。例えば、ウェブサーバーのNginxをインストールしたいが正確なパッケージ名が不明な場合：
# Debian/Ubuntu系の場合
apt search nginx
# Red Hat/CentOS/Fedora系の場合
dnf search nginx # yum search nginxこれで関連するパッケージ名が表示されるので、適切なパッケージを見つけ出すことができます。
インストール済みのパッケージを最新の状態にしたい場合
セキュリティの観点からも、システムは常に最新の状態に保つことが推奨されます。
# Debian/Ubuntu系の場合 (更新情報の取得とパッケージのアップグレード)
sudo apt update
sudo apt upgrade
# Red Hat/CentOS/Fedora系の場合
sudo dnf update # sudo yum update
# Arch Linux系の場合 (システム全体の更新とパッケージのアップグレード)
sudo pacman -Syuこれらのコマンドを実行するだけで、インストールされているすべてのパッケージが最新バージョンに更新されます。
まとめ
この記事では、Linuxシステム管理の基本であるパッケージマネージャの役割と、apt、yum/dnf、pacmanといった主要なパッケージマネージャの基本的な使い方について解説しました。これらのコマンドを使いこなすことで、より効率的かつ安全にLinuxシステムを管理できるようになります。
この記事がパッケージ管理についての理解を深める一助となれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
次回は「サービスの起動・自動起動の設定（systemd）」について解説します。