Linux管理・運用の基本
システム管理者のための実践ガイド
システム管理者のための実践ガイド
LinuxでUSBメモリや外付けHDDを使うには、「マウント」という操作が欠かせません。この作業を行うことで、はじめてデバイス内のデータへアクセスできるようになります。 この記事では、「デバイスの認識確認」「手動でのマウント・アンマウント」「安全な取り外し方」を、実用的なコマンド例とともに解説します。
USBメモリや外付けHDDを接続してもすぐに使えない場合、まずはシステムがデバイスを認識しているか確認しましょう。lsblk
コマンドは、接続されているディスクやパーティション情報を一覧表示するのに非常に役立ちます。
lsblk
このコマンドを実行すると、以下のような出力が表示されます。
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
sda 8:0 0 100G 0 disk
├─sda1 8:1 0 1G 0 part /boot
└─sda2 8:2 0 99G 0 part
├─vg_root-lv_swap 253:0 0 8G 0 lvm [SWAP]
└─vg_root-lv_root 253:1 0 91G 0 lvm /
sdb 8:16 1 16G 0 disk
└─sdb1 8:17 1 16G 0 part
lsblk -o NAME,SIZE,MODEL
とすることで、より詳しいモデル名が表示され、デバイスを識別しやすくなります。上記の例では、sdb
がデバイス本体、sdb1
がそのパーティションです。MOUNTPOINTS
列が空欄であれば、まだマウントされていない状態です。
使用したいパーティション(例: /dev/sdb1
)が分かったら、mount
コマンドでマウントします。マウントする前に、マウントポイント(デバイスを接続するディレクトリ)を先に作成しておきましょう。
# マウントポイントの作成(/mnt/usbなど任意)
sudo mkdir /mnt/usb
# デバイスをマウント
sudo mount /dev/sdb1 /mnt/usb
mount
コマンドはシンプルで、「mount [デバイスファイル] [マウントポイント]
」という形式です。
多くのLinuxディストリビューションは、FAT32やexFAT、NTFSといった主要なファイルシステムを自動で判別します。もしマウントできない場合は、sudo apt install exfat-utils
やsudo apt install ntfs-3g
などのコマンドで、必要なパッケージをインストールしてください。
マウントが成功したかは、lsblk
やdf -hT
で確認できます。
df -hT /mnt/usb
利用が終わったら、必ずumount
コマンドでアンマウントしてからデバイスを物理的に取り外しましょう。アンマウントせずに引き抜くと、データの破損やシステムエラーの原因になる可能性があります。
sudo umount /mnt/usb
umount
コマンドの書式は、「umount [マウントポイント]
」です。
device is busy
というエラーが表示された場合、そのデバイス上のファイルが開かれていたり、プロセスが利用中であることを意味します。以下のlsof
コマンドで、原因となっているプロセスを特定できます。
# lsofコマンドで占有プロセスを確認
sudo lsof +D /mnt/usb
特定したプロセスを終了してから、再度umount
を試みましょう。
Linuxで外部ストレージを扱う基本は、「lsblkで認識確認」「mountでマウント」「umountで安全な取り外し」の3ステップです。 一見シンプルですが、この手順を確実に実施することで、大切なデータの安全性とシステムの安定運用が両立できます。
この記事が、Linuxでのデバイス管理の実務に役立てば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。